自然と歴史が調和した美しい街並みを駆ける旅
レンタサイクルで趣がある街を駆ける
日本最初の国際貿易港のひとつとして栄え、今もその当時の様相を街中に残す海の街・函館。自然と歴史が調和した美しい街並みを海風を感じながら自転車で駆けると面白い発見があるかも。このページでは小回りが利く自転車ならではのルートをご紹介します!健康を意識しながら観光をするウェルネスツーリズムとしてもオススメです。
※今回紹介するレンタサイクルの利用可能な時間が10:00~17:00なのでその時間帯に合わせて周れるルートになっています。
このコースのポイント♪
・レンタサイクルに乗って走りまわる。
・自然と歴史ロマン感じるスポットを巡る。
・ランチも歴史的建造物内で。
・地元民御用達の温泉でリフレッシュ。
※元町西部地区は、坂道が多く1日自転車に乗って周るにはそれなりに体力が必要です。このモデルコースでは前半は緑の島~外国人墓地間で、後半では教会群~函館八幡宮間で坂道を上ることになります。決して無理をせずご自身の体調と相談のうえ、レンタサイクル観光を楽しんでください。
体力に自信がない方でも、コースの前半だけ周る、後半だけ周るという楽しみ方もありますので参考になれば幸いです。
まずは自転車をレンタル!
函館市内ではいくつかの事業者がレンタサイクル事業が展開されていますが、今回は金森赤レンガ倉庫のBAYはこだてで借りることができる黄色い車体がポップな見た目の自転車を使ってルートを周ってみます!レンタサイクルの貸出期間や時間、料金などは次のまとめページでご確認ください。(⇒【スポット情報】レンタサイクル)
【 Tips 】
金森赤レンガ倉庫へは、市電「函館駅前」で乗車し、8分くらいで着く「十字街」で降車後、そこから歩いて5分程度で到着します。函館駅前から歩いていくと15分~20分程度の距離です。
海風を感じながらまずは西方へ
【所要時間:1時間半くらい】
まずはランチタイムまでの前半コースです。金森赤レンガ倉庫からスタートし緑の島へ。海沿いを走って真っ直ぐ向かうと5分くらいで着きます。函館港末広緑地からの港や対岸の景色を見ながら走り、途中、新島襄のブロンズ像や海外渡航地碑、北海道第一歩の地碑や旧桟橋等のパブリックアートやモニュメント、ビュースポットが点在するので立ち寄ってじっくり見るのも良いです。
緑の島からは、函館山や周辺の西部地区の街並み、港・海の様子を見ることができ、街の中心地から近い場所でありながら自然を感じられるスポットになっています。本格的にサイクリングをする前に自然の中で深呼吸をして準備を整えていきましょう。
緑の島を出発し、次は函館中華会館へ向かいます。中華会館へはまっすぐ向かうと3分くらいですが、途中、急な坂を上りますので、難しい場合は無理せず降りて自転車を押しましょう。
日本唯一の純中国様式建築である函館中華会館。
現在は残念ながら中の見学はできませんが、彫刻をふんだんに施した装飾性豊かなレンガ造りの建築物は一見の価値ありです。建物の歴史的価値はスポット情報で紹介しています。
中華会館を出発し、次は外国人墓地へ。まっすぐ向かうと5分くらいです。途中、名前の付いた元町の坂をいくつか横断するルートになりますが、最西端の魚見坂に合流したら再び坂道を上っていくと外国人墓地にたどり着きます。途中、高龍寺を通り過ぎますが、本モデルコースでは帰り道で寄ることとしています。
高台から海を見下ろす景勝地にある外国人墓地。
坂を上っていくと途中、二股に道が分かれますが右側は車両一方通行でこちらかは通行止めになっています。左手の道をさらに上っていくとだんだんと右側の景色が開けていき、上記画像のように海を見渡せるようになります。ここまで来たら右手に曲がりUターンするように帰ると、先ほどの二股の道の反対側から出てきます。
ペリー艦隊来航時に2名の水兵の埋葬場所を提供したのがこの外国人墓地の始まりです。宗教や宗派、国の違う墓地が並んでおり、国際貿易港として発展した歴史に触れられる、そんな場所でもあります。
外国人墓地を出発し、高龍寺へ。自転車で下ると1分程度着きます。
函館最古の寺院である高竜寺。
堂々として存在感のある寺院。境内見学ができます。1911(明治44)年に総ケヤキ造りにより完成した山門は東北以北最大といわれており、精微な彫刻も見事で、ぜひ門の下から見上げて眺めてみてください。こちらの山門や本堂など10件が国登録有形文化財になっています。また、月1回、文化財である本堂でのヨガ体験ができるおもしろいプログラムが開催されています。開催日や予約の情報は、高龍寺の公式HPやFacebookから確認できますので、タイミングが合う場合は参加を検討しても良さそうです。
高龍寺を出発し、元町公園を目指します。まっすぐ向かうと5分程度の距離ですが、途中いくつもの、名前が付いた「元町の坂」を横切ります。一筋に伸びる道が函館港と交じり合う風景がいくつかの道から眺めることができます。道路上に坂の名前のわかる標識が立っているのでどこの坂と交差したのか確認してみてください。ただ移動するだけではなく、たまに立ち止まって風景を楽しむこともこの旅の醍醐味です。
【 Tips 】
「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」改定第6版までに「元町の坂」という名称で星二つで紹介されたことがあるくらい、坂道、とりわけ坂の上からの景色は函館観光の魅力のひとつです。
ビュースポットであり函館の魅力が凝縮された元町公園。
かつて道南行政の中心地として位置し、園内には北海道指定有形文化財の旧北海道庁函館支庁庁舎、旧開拓使函館支庁書籍庫が現存し、すぐ近くには重要文化財旧函館区公会堂や旧イギリス領事館があり、函館の歴史を色濃く残す公園です。高台からは函館港と市街が一望でき、ビュースポットにもなっています。
ここまで来たらこの旅の折り返し地点です!ちょっとした疲労感があり、そろそろお腹も減ってきた頃。せっかくなので近くの歴史的建造物でランチを楽しみましょう。本モデルコースでは以下の2店舗をご紹介します。
- Jolly Jellyfish元町公園店
- ヴィクトリアンローズ ティールーム
歴史的建造物で美味しいランチタイム
【所要時間:1時間くらい】
Jolly Jellyfish元町公園店
函館のソウルフード「ステーキピラフ」で市民にお馴染みのJolly Jellyfishが元町公園に出店したものです。特徴的な柱廊玄関とエメラルドグリーンの外壁が目を引く旧北海道庁函館支庁庁舎を利活用しています。館内もモダンで落ち着いた雰囲気が広がり、ゆっくりと食事を楽しむことができます。また、テイクアウトが可能なので公園内や近隣の広場で自然の中で食べるのも楽しみ方のひとつです。ステーキピラフ以外にもパンケーキやソフトクリームなどのスイーツも。この後の観光に備えてガッツリ食べたい方にオススメです。
ヴィクトリアンローズ ティールーム
元町公園からほど近く、公園目の前の基坂を少し下ると旧イギリス領事館があります。現在は観光施設として有料の展示室公開をしている施設ですが、こちらに併設してヴィクトリアンローズ ティールームが入っています。紅茶の本場イギリスに関連した施設でティータイムを取れる雰囲気抜群のお店です(有料展示室へ入らなくてもティールームへ入店できます)。2人以上から頼めるアフターヌーンティーセットでは紅茶の他、自家製スコーンとサンドイッチやプチデザートが付いているので、雰囲気を楽しみながら軽く食事を取りたい方へオススメです。おひとりでも自家製スコーンと紅茶がセットになったクリームティーセットもあるのでご検討してみてください。
【 Tips 】
この時点でこの後の時間に少し余裕があるかな、と感じたらぜひ歴史的建造物の見学も行ってみてください。それぞれ建物の意匠を楽しむだけでなく、函館の歴史的背景の一端を知ると街歩きもさらに楽しくなりますよ。
【スポット情報】旧函館区公会堂
【スポット情報】函館市旧イギリス領事館
元町地区の王道スポットを通り南東へ
【所要時間:3時間半くらい】
お腹を満たしたら、レンタサイクルの旅、後半コーススタートです。元町公園付近から教会群を目指します。1分くらいで着きます。この際、石畳の道の港ヶ丘通りを通って進むと、ビュースポットである八幡坂で坂の上からの絶景を眺めることができます。立ち止まって写真を撮る方も多く人気スポットのひとつです。
THE・異国情緒。教会群を巡る。
このエリアで隣接する教会は3つ。それぞれ宗派が異なる、ハリストス正教会、カトリック元町教会、聖ヨハネ教会です。また、そのすぐ近くには寺院である真宗大谷派函館別院があり、国際貿易港として発展し様々な文化が入り込み、溶け合い生まれた函館ならではの街並みが形成されたことがよくわかります。それぞれ外観の見学ができるほか、内部の拝観もできる教会もあります。詳細は下記スポット情報から各施設の詳細をご確認ください。
教会群での観光を終えて立待岬へ。まっすぐ向かうと15分くらい。途中、基坂や護国神社坂を横断します。
立待岬まで1km地点から上り坂が続きます。途中急勾配もあるので上るのが難しいと感じたら自転車を押して上りましょう。また、一方通行の道では道幅が細くなりますので自動車の通行にも気を付け進みましょう。
津軽海峡を一望できる絶景スポット。
南東部の端に位置する立待岬。津軽海峡が一望でき、函館市街と大森浜から湯川方面へと続く海岸線が綺麗に見えます。天気等の条件が良ければ、海峡の先に位置する、青森県の下北・津軽の両半島を望むこともできます。
絶景を満喫したら函館八幡宮へ。15分くらいの道のりです。車両一方通行のため、往路とは異なる山道を上ります。ここがなかなかの難所です。800m程度坂道が続く為、自転車を漕ぐのも、降りて自転車を押して上るのも大変に感じるかもしれませんが、上りきった先で市街を一望できるスポットがあり一見の価値ありです。写真中央付近に見えるのが市電の谷地頭停留所です。
【 Tips 】
ここまでの疲労も溜まってきている頃だと思いますのでそういった場合は無理せず一方通行の道を自転車から降りて押して戻ることを推奨します。時間や体調と相談し八幡宮をスキップし、谷地頭温泉を目指してゆっくり休憩時間を取るのもひとつの手です。
自然の中、厳かに佇む社殿。
函館市民に「八幡さん」の愛称で親しまれる函館八幡宮。134段の石階段を上ると見えてくる、函館山の森に包まれ厳かに佇むその姿には、神の存在を感じずにはいられない、凛とした空気が流れる函館を代表するパワースポットです。
参拝を行ったら、この旅の最後の目的地、谷地頭温泉へ。3分くらいで着きます。
函館市民が親しむ温泉。
観光途中のひと休みにぴったりな谷地頭温泉。市民だけでなく多くの観光客にも利用されています。レンタサイクルでの汗を流して温泉に浸かり、運動後の心身をゆっくりとリフレッシュさせましょう。高温、中温、気泡風呂の浴槽と、五稜郭の形を象ったユニークな露天風呂があります。サウナも併設されているのでお好きな方はそちらもどうぞ。自転車の返却時間に間に合うように時間を調整しながらリフレッシュタイムを満喫してください。
忘れずに自転車を返却。
温泉の心地よさで時間を忘れてしまいがちですが、自転車の返却時間は17:00迄。忘れずに返却へ戻りましょう。谷地頭温泉から金森赤レンガ倉庫までは20分程度の道のり。この旅、最後の坂道を頑張って上って、あとは下り坂と平坦な道。気持ちよく風を切りながら進みましょう。自転車を所定の場所に戻して返却手続きをして全行程終了です。レンタサイクルの旅、お疲れまでした!
そろそろ晩御飯の時間です。どこがいいかな、とお探しの際は下記リンク先の情報も参考にどうぞ。